契約

先ずはAホームで
あーちゃんの場所となる、お部屋を見た。
自分の部屋となる場所の介護用のベッドや、ベッド横にあったナースコールボタンを見てあーちゃんは何を思ったのか分からないが、少し表情が硬くなったような気がした。
それからホームの応接セットに場所を移して必要書類の確認と契約。
(本当はダメなんだけど)Iさんは病院の診断書を見せてくれた。糖尿病の病院の先生も認知症の病院の先生も、
「夫の協力が得られず薬や食事の管理が出来ない」
と診断書に書いてくれていた。
それをなーにゃんが見て、その後ワフウフが見ていたら、自分をどう書いてあるのかが気になったあーちゃんが
「何が書いてあるの?見せて!」
ただ、認知症の病院の診断書にはもろに「アルツハイマー型認知症」と書いてあったので、あーちゃんは見たら傷つくだろうと、
「お薬のことが書いてあるだけだよ」
と言ったのだが、
あーちゃんかなり険しい顔でワフウフの手から診断書の紙を強引に奪い取ろうとしたので驚いた。
営業のIさんが場を読んで
と言ってすうっと診断書を持って行ってくれたので助かったが、なんとなく雲行きが怪しくなってきて、なーにゃんもワフウフも内心ヒヤヒヤしていた。
契約書類を確認のために読み上げるIさんに、あーちゃんは何度も
と文句を言ったが、
と説明してもう一度あーちゃんの意思を確認すると、
「私よく分からないからあなたたちに任せるわ」
と、素直に署名捺印はしてくれた。
そして契約が終わるとホームのケアマネさんが登場。あーちゃんの生活にどんな補助が必要かを確認するためだったので、
営業のIさんがあーちゃんを連れ出してくれて助かった。
あーちゃんは自分で出来ていると自己申告するだろうが、とにかく薬の管理をお願いしたいこと、そして風呂に入れているのか分からない状態なので誘導してほしいことなどをお願いした。
なーにゃんとワフウフがケアマネさんとお話をしている間、Iさんと一緒に同じフロアにある食堂へ行ったあーちゃんが楽しそうに話している声がずっと聞こえて来て、ホッとした。
契約の時は強張った顔をしていたように見えたけど、おしゃべりをして戻ってきたあーちゃんは晴れやかな顔をしていた。
そして意外だったのだけど、帰り道に
と言ったのでひと安心だった。

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Source: アルツハイマー