記憶とともに去りぬ

2月14日は診察の後、院内の薬局では薬をもらわないのにたんたんが薬局に話を聞きに行ったので、
その隙にワフウフたちはさっと逃げた。帰った。
もうたんたんへの抗体がなくなりかけていたから、あれ以上は顔も見たくなかったしね。
そしてその日、財布がないお金がないと言うあーちゃんに財布を買った。
そして、これ以上たんたんにお金を抜かれるのは嫌なので、あーちゃんに常に身につけておいてもらうことにした。
よく、海外で貴重品を洋服の下に隠して身につけておく腹巻みたいの、あるじゃない?
あれに、新しく買った薄い布の財布と保険証を入れて持ち歩けば、さすがにたんたんも盗れないだろうと考えたのだ。
しかし、あーちゃんは認知症である。
本人と一緒に選んだ財布に目の前でお金を入れ、腹巻にセットして説明しながら腹巻を装着させているのにそれがまったく覚えられない。
お腹に腹巻をした状態なのに、

(あーちゃんサービスショット♡)

腹巻を装着。

ひたすらこの繰り返し。
こりゃー、定着しないかなあと心配していたんだけど、やっぱり翌日に電話して
「腹巻つけてる?」
と聞くと、
もう腹巻を買ったことの記憶が抹消されていた。そして、使い慣れない「腹巻」という物が認識出来ず腹巻本体がどこにあるのかすら見つけられない。ガックリ。
記憶と共に腹巻は去りぬ。
なんとかたんたんから盗られないようにお金を渡してあげたいんだけど、あーちゃん新しいことは覚えられないからなあ…。
でも普通は夫からお金を隠す必要なんてないんだもんね。要らぬ苦労なんだと思うと本当にあーちゃんが気の毒だよ。

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Source: アルツハイマー