憂鬱な商店街散歩

昨日の記事であーちゃんの甘い物への執着が尋常じゃなくて怖いと書いたが、
実はあーちゃんの執着が物凄い物がもうひとつある。
それは「りんご」と「バナナ」。
ホームの近くにある商店街は物凄く活気があって沢山お店も出ており、驚くほどお安い。
ワフウフは良いものを見つけてもバスと電車を乗り継いで帰るのでなかなか買うことはないのだけど、見て回るだけで楽しい。
だけどそこには沢山青果店が出ていて、どの青果店の前を通りかかってもあーちゃんは立ち止まり
と、必ず言う。
ホームは多分、食事の管理上なのだろうが
「食べ物を持ち込む時は申告してください」
というスタンス。つまり、あまりウェルカムな感じではない。
更に、個室の中にはもちろん刃物を持ち込んではならない。
冷蔵庫もない。
商店街で売っている、籠に山盛りになったりんごや大きな房になったバナナなんて持ち帰れないのだ。
しかしあーちゃんはいくらそう説明しても、
甘い物を見た時と同じく目は釘付けで、促してもなかなか動かない。
そして、
と、なんとかかんとか言ってりんごとバナナを買いたがる。
あーちゃんの口調は
から始まり、
と段々と不満に変わり、
(なぜダメなのか何度説明してもこう言う)
最後はワフウフたちの説得虚しく、勝手に買うことを決めてしまう。
(もちろん買わせないけど)
あーちゃんには「買う」という選択肢しかなく、物凄くしつこいのだ。
それを青果店という青果店の前でいちいち繰り返す。
多分、自宅で生活していた時、
あーちゃんは最後まで認めなかったけど殆ど料理が出来なくなっていたと思う。
会うたびにごはんを作っていって差入れはしていたけれど、それも忘れちゃうのか冷蔵庫に2週間前に差し入れたご飯が入れっぱなしになっていたりした。
だから、あーちゃんは普通の食事というより、食事代わりにりんごやバナナ、そしてそのままで食べられるパンを食べていたように思う。
りんごもバナナもその時は食事代わりに栄養を摂る物としてあーちゃんには必要な物だったのだろう。
そのイメージが強く残っているのかもしれない。
そして、りんごもバナナも甘いしね。
やっぱり「食事」以外に甘い物を食べたいんだろうなあ…。
事情も気持ちも分かるけどさ、
お菓子ではないと言っても果物は糖質が高いから、今のあーちゃんに食事以外で必要なものかといえば必要ではないんだよねえ。(ホームの食事メニューにフルーツやちょっとした甘いものも付いているし)
今まで自由に好きなものを食べてきて急に管理されるのはキツイかもしれないけど、自由に好きなものを食べてきた結果、糖尿病が悪化しているのだからね。
そんなわけで、
商店街は近くて良い散歩コースではあるのだけど、しつこくりんごとバナナを買うとゴネるあーちゃんのことを考えると商店街への足取りが重くなるのであった。

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Source: アルツハイマー